花美哉 ⑥-10

52.プロキオンS GⅢ

花美哉 ⑥  fiction

織姫と彦星が年に一度の再会を果たそうとしている

・・・

リーディングジョッキーは栗東所属のバツク37歳だ
皐月賞 ダービー 2冠馬フリクリの主戦ジョッキー

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美浦所属ではショウがリーディング3位に付けている
皐月賞 ダービー2着馬タッタラーの主戦
46歳

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若手のホープ栗東のホーナ26歳は2032年宝塚記念優勝馬サラペとのコンビで英国はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスの遠征を予定している

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桜花賞馬ポッコの主戦ジョッキー,レイミは華のあるジョッキーでリーディング12位につけていたが、一際人気がありその花々しさで多くの女性ファンを獲得していた
美浦所属34歳

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新人ジョッキーのツヨチが7月初旬までに23勝を上げて、最多勝新人騎手の最有力だ
美浦所属

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女性騎手ではナナナジョッキーがパプルと優駿牝馬を制した

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2032年
第68回七夕賞を優勝したのはミルキーという4歳牝馬だった

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#バツク
#ショウ
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#ツヨチ
#ナナナ
#ミルキー
#花美哉

花美哉 ⑦

2032年 文月,葉月

夏のカンカン照りの中

札幌の空の下ではクイーンS GⅢが走った

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3歳牝馬スカイブルー の右後脚キウタが優勝

1勝馬クラスからの格上挑戦にもかかわらず、この上ない結果を示した

2着はチャリだった

これもまた3歳牝馬であった

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英国アスコット

GⅠキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス

4歳牡馬 サラぺが出走した

3着

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アイビスサマーダッシュ GⅢ

3歳騸馬 クルマ  優勝

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ダービー・皐月賞2着馬

3歳牡馬タッタラーが凱旋門挑戦を表明した

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1歳牡馬

花美哉は静岡ハミル牧場で欠伸をしていた

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54.GⅡ札幌記念

花美哉 ⑧

2032年8月

温室効果ガス減少の対策が講じられつつも

地球の温暖化は止むことなく、

この日札幌は30℃を超えた

今年からG1に昇格した札幌記念が開催された

第1回  G1 札幌記念

5歳牡馬グリミは

一昨年の日本ダービーで4番人気に推された素質馬だった

しかしレース前に歩様の乱れを覚えた鞍上のベテラン騎手ショウの判断により馬体検査が行われた

脚部異常により出走回避、その後の精密検査にて軽度の屈腱炎が判明した

1年半後の中山金杯で復帰

4着となりその能力の高さを再確認させた

その後GⅠ大阪杯を目標に定めたが、

跛行の影響で春の目標を失った

 GⅡ 目黒記念

2年前

出走が叶わなかった日本ダービー

東京優駿のリベンジを果たすのはその日しかなかった

少し距離が長いと懸念もあったが

陣営に迷いはなかった

 GⅠ  札幌記念

大逃げを打った

ショウとグリミは

後続に影さえ踏ませず

 連勝を2に伸ばした

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葉月の札幌記念が開催されたこの日

ハミル牧場では季節外れの出産があった

実験的出産により夏生まれの産駒を生産するという。

春生まれの当歳と比べ当然成長は遅いが、

末長い活躍が期待される、後が長い方が良いか

種牡馬ヒカリの仔を受胎していた

繁殖牝馬ミノリが産んだ夏生まれの駒は

・・・・

ピンクだった

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#グリミ

#ショウ

#ミノリ

#ヒカリ

FICTION

55.GⅠ  スプリンターズS

花美哉 ⑨

小学校教師のポニテは今日も競馬場に来ていた
スプリンターズSに合わせて中山まで行きたかった
名古屋の公立校の教師にはそんな遠征費用は捻出できる余裕はなく、裏開催の中京競馬場のスクリーンを見つめていた

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GⅠ スプリンターズS
馬券は3歳馬のオチョーの単勝を5,000円購入した
オッズは12倍前後を揺れ動いていたから28歳の公務員としては、的中すれば生活の足しになるし、少しばかり贅沢なディナーなんかを想像しながら中京10Rの外れ馬券を握りつぶした

「メインで当てればいいんだ」

負けが混んでいる馬券師の、希望の言葉を呟いた
同様のセリフを隣りのオッサンが呻いた

2032年となった今では、国内競馬において騸馬の存在はかなり少なくなっていて、オープンまで出世、G1の出走まで漕ぎつけたオチョーは稀有な存在だった
気性の悪さは御する範囲を超えていて、振り落とされた調教助手やジョッキーは数えきれなかった
元々能力は高かったが、レースでは暴走を繰り返した
未勝利のまま、3歳のきさらぎ賞の日に虚勢手術をメスした
捲土重来
G Iまでピラミッドを登った

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発走を告げるファンファーレが響く

勢いよく飛び出した17頭
内枠から弾け飛んだフトシコツーが先頭に立つ
オチョーは少し立ち遅れたが二の足が効いて、中段につけた

フトシコツーの鞍上レイミが手綱をしごく
天才肌のジョッキーは大胆な騎乗で人気を博していた
向こう正面に入ったところで3馬身はリードしたか
レイミは手綱を揺り動かしながら一定のリズムを刻む
3コーナーに掛かったころには、
スプリント戦の大逃げを見た

3コーナーを回りながら
懸命に鞭を入れるプレイ
応えるオチョー
末脚は伸びている

止まれ止まれ!

3馬身差の完敗 2着だった

勝ったのはフトシコツー5歳牝馬だった
前走のGⅡセントウルSを鮮やかに差し切ったフトシコツーが大逃げを決めた

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オチョーと騎手のプレイを迎えた調教師のエイチは、騎手と握手をして、馬のほほを撫でた

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ポニテは束ねたポニテールをバラした
負けた日はポニテールを解いて、心を放牧させる

「凱旋門で取り返す」

一週間後に迫ったパリで取り返す

「JDCで取り返す」

隣りのオッサンが叫ぶ
今週水曜日に開催されるジャパンダートクラシックに照準を絞った

ポニテが笑った
オッサンも笑った

しばらくレースの講釈を論じて

連絡先を交換した

ポニテは名前を聞いたが、
オッサンでいい
オッサンがいいと言うから
少し申し訳ない気持ちで、スマートフォンの連絡先にオッサンと入力した
メッセージアプリは使ったことがないから、メールで頼むと言う

久々にメールを立ち上げて”よろしくお願いします”とだけ入力して送信を押した

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凱旋門賞には3歳牡馬タッタラーが出走を予定している
皐月賞、ダービーともに2着
3歳で挑んだ宝塚記念は3着だった
放牧を挟んで8月下旬にはフランスに乗り込んで、乗り込んできた
ぶっつけは予定通りのプランだから、あとは出たとこ勝負だ
前売り5番人気で現地の評判も上々だ

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Jpn1 JDCは2冠馬アゲハが大本命だ
ハミル牧場の生産馬ヒメヒコがレパードS2着で優先出走権は得られなかったが、収得賞金で何とか出走枠を確保した

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ハミル牧場で花美哉は
乗り込みを開始していた
来年には2歳になり、デビューする

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フトシコツーはスプリンターズSのあとはマイルCSへの参戦は既に発表されていて
オチョーも気性が改善された今なら、マイルもこなせる筈だ
調教師エイチの腹は決まっていた

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乗り込みを終えた花美哉を
唯一の牧場スタッフのマメドが
愛撫した

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56.秋華賞

花美哉 10

京都競馬場の出張馬房で

厩務員タケルは秋華賞に出走するキウタに飼葉を与える

「よしよし、いいぞ」

レースに影響が出ない程度の飼葉を食べ切るのを見届け、頬を撫でた

美浦から京都競馬場へ前日輸送で乗り込んだ

春の桜花賞の出走や夏のクイーンSへの出走で輸送は経験してきたから、キウタの様子も悠然としたものだった

スカイブルーの右後脚キウタ

前年有馬記念当日のメイクデビューを優勝して、GⅡチューリップ賞3着、GⅠ桜花賞7着。

必勝を期して挑んだカーネーションCは2着に負けたが、夏のGⅢクイーンSで優勝した

そして、最後の3歳牝馬の栄光の舞台に出走する

2032年第37回秋華賞

4番人気に支持されていた

オッズは12.7を表示していた

1番人気は桜花賞馬ポッコで差のない2番人気はオークス馬パプルだった

戦前の予想では春のGⅠを分けあったこの2頭が抜けていて、3番人気にGⅡ紫苑Sを勝ったチャコ、続いてキウタだった

「よし、行こう」

装鞍所で鞍を付けて馬房を出る

引き綱を左手に握りしめてパートナーを先導する

言葉は一つも交わさなかった

タケルは十分勝負になると思っていた

夏のGⅢクイーンで古馬相手に優勝した、根拠は十分だ

調教師のミホーもオーナーのソソスも生産者のチャチャも同じ想いだった

あのスカイブルーの長い左脚を初めて見た時に、この馬は走らないと思った

しかし懸命に調教に耐えて、期待を遥かに上回る牝馬へと成長を遂げた

今ではチーム全体が彼女の虜になった

「着いたぞ」

無言の引き綱の先に光が射す

やはりGⅠのパドックは華やかで美しかった

そのまま周回に移る

誇らしかった

担当厩務員として二人三脚で歩んできたキウタと己の絆の最高の見せ場だ

自然と胸が張る

あとはリーディングジョッキーのバツクさんに手綱を委ねるだけだ

・・・・

秋の澄み渡った空気に緑の芝が映える

キウタがバツクジョッキーを背にターフへ現れた

返し馬でターフの緑にスカイブルーの右後脚の颯爽の残像が重なってエメラルドグリーンの色合いを帯びる

返し馬を終えてゲート裏を闊歩する

ファンファーレが響き4番ゲートに入る

・・・・

ゲートが開いてスタート五分に飛び出したキウタ

少し抑えて中断やや後方に構える

スースが逃げて1番人気のポッコが2番手、2番人気のパプルは最後尾だった

向正面に入り、1000m通過59.3秒のペースでスースが駆け抜ける

3コーナーに入りポッコが先頭に並ぶ

捲り気味に上がってきたサイダーがその後ろ3番手まで上がってきた

最終コーナーを抜ける

直線を向いた

パプルが後方から大外を回ってきて、末脚起爆のコースを取る

ポッコがスースの左側を交わし切り先頭に躍り出る

喰らいつくサイダー

残り1ハロン

大外のパプルが追い込んできた

キウタは?

先頭を翔る桜花賞馬ポッコ

1馬身後ろに伏兵サイダー

その2馬身後方にパプルが迫る

100m

剛腕ゴーゴー

激しく手綱を扱く

彼の両の腕がゴール板へ、真っ先に一頭を導いた

・・・・

ジョッキールームで最終レースが終了するまでアルコールを口にできない関係者、陣営がサイダーで祝杯を挙げた

キウタは14番目にゴール板を駆け抜けた

パプル 2着

ポッコ 3着

・・・・

「よくやったな」

脚元を入念にチェックするタケル

「よし」

立て髪を撫でる

「ありがとう」

無事に帰って来てくれたな

「本当に」

GⅠまで連れて来てくれた、浪漫をな

#HAMIRU

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#20241013

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